誰もいない教室
時計の音だけが響く世界に
取り残された淡い想い出が
私の中を曖昧に揺らしては
右から左に通り過ぎてゆく
机の小さな遊び心が
椅子に残る誰かの体温が
薄く反射する黒板の言の葉が
今日の記憶をなんとなく紡いでいる
一年未満の短い物語を
素知らぬ顔で眺めている
私だけが映る面白みのないひとコマも
文句も言わず記録している
何年も何年もただひたすらに
多少の変化を見守っている
何回目かもわからない
ありきたりなシチュエーションを
永遠に繰り返しては
誰かに特別を作り出している
もうきっと飽きてしまったでしょうね
9/6/2025, 3:37:23 PM