幸せに
もう一度あなたと会ったら、なんて言葉で迎えよう。
「また会ったね」
「久しぶり」
頭に浮かぶ言葉はありきたりで人畜無害な味のない言葉だけだった。
私があの人へ伝えたいことはこんな薄氷のようなものではなかったはずなのに。
暗くなったスマホのディスプレイに写った私は笑顔を忘れたあの日の写真のように満ち足りていなかった。
二人で星を繋いで新しい星座を作ったり、流れ星にお願い事をしたりした日々は、鑑賞用のフィギュアのように二度と陽の目を浴びない。
あなたは私に「君以外の人を好きにならない」って言ったのに。
「君以上に素敵な人はいない」って言ったのは幻だったの?
今頃君は私じゃない誰かに永久の愛を誓っているはず。
私以外の私よりも素敵な人に。
いつまでも私は以の字に命を捕まれている。
……あなたを迎える言葉がやっと見つかった。
「死ぬまでずっとお幸せにね」
3/31/2026, 2:09:52 PM