満点の青空
早咲きの桜
写真を撮る 春色の君と
青い春が似合う君と
肩を並べて笑う僕ら
今年もこの言葉を口にする季節が来た
「来年も一緒に撮ろう」
毎年満開の桜と写真を撮る
それが僕らの約束であり、
日常であった
今日この時迄は
突然の春嵐
桜を散らしていく
手から零れ落ちる淡い青春の1枚
気付けば写真は君の手の中
吸い込まれていく
同化していく
桜が、君を攫っていく
『ごめんね、左様なら』
残ったのはその言葉一つだけ
写真も記憶も何もかも
お気に入りのカメラを手に持つ理由すら
訳も分からず
1枚、今年の写真を撮った
「どうして、」
揶揄う様に桜が揺れた
今年の春は青くない
2024/05/19【突然の別れ】
5/19/2024, 10:59:17 AM