前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
都内在住の稲荷子狐が今月から、ここに週休完全2日制で修行に来ておりました。
前回投稿分で子狐、管理局の総合窓口の仕事を見学しまして、無事、昼休憩に突入です。
「ごはん!ごはん!」
食べ盛りの子狐は美味しいものが大好き!
今日も今日とて管理局の、局員専用食堂に一番乗り。お揚げさんにお肉にお米、調理員さんが作る渾身の美味を片っ端から、
「ごは、
……ごはん、どうやって、つくってるんだろ」
片っ端から頼んで作ってもらった料理を、
席について、あらためて、じーっとよく、
匂いをかいでカジカジ噛んでみて、再度匂いをかいで、丁寧に調査してみました。
「おにく、おあげさん、おにく」
というのもコンコン子狐、もともと管理局に来る前から、稲荷の御利益たっぷりなお餅をぺったんぺったん、作って売っておったのです。
「アイス……」
食後のデザートならぬ、食前のデザートとして頼んだバニラアイスを目の前に、
しかしそのアイスは子狐が知らない茶色のソースがかかっておりまして、
くんかくんか、くんくんくん。
子狐は丁寧に茶色の香りをかいで、
それがどうも、アーモンドかクルミのような、ナッツの香りを、よくよく漂わせておるのでした。
子狐はナッツのソースを、ぺろり舐めてみました。
ソースは、ドチャクソに甘いソースでした。
「うべっ」
子狐は甘いものが大好きでしたが、
これはちょっと、甘すぎたのでした。
コンコン子狐は丹念に匂いをかぎ、調査しました。
先日、子狐が「使って良いよ」と言われた局員用の、個室寮の部屋に出た幽霊が、
自分以外の、別の料理人の視点を見つけてごらんと、餅売り子狐にアドバイスしたのでした。
ひょっとしたらこのバチクソに甘いソースも、
子狐がたんまり持ってきたお肉も、
子狐の知らないアプローチで、子狐の知らない調理方法で、料理されているかもしれません。
「もっと、もっと」
くんかくんか、くんくんくん。
コンコン子狐は何度も何度も調べました。
「もっと、もっと知りたい!」
そしてコンコン子狐は、調べて考えたこと、感じたこと、理解したこと、分かったことを、
スケッチブックに大好きな色のクレヨンで、ぐりぐりぐり。メモしたのでした。
ところで
その間に
バチクソ甘いソースが絡んだアイスは
デロンデロンのドゥルンドゥルンのトロットロに
溶けてしまったのですがどうしましょう。
「うべべ、べっべ」
コンコン子狐、アイスソースを舐めてみましたが、
甘いあまいソースが見事に甘いアイスに絡んで、
更に、甘くなってしまっておりました。
そこに助け舟を出したのが、子狐の大好きなお姉さん、管理局収蔵部のドワーフホトお嬢さん。
子狐が甘いあまいソースに苦しんでおるところに、ちょうどランチを持って到着です。
「だいじょ〜ぶ!あたしに任せなさぁい」
子狐から経緯を聞きますと、
隣の隣の隣の斜め隣あたりのテーブルで昼食をとっておった人間男性のところへ言って、
なにやら話して、その男性が、指さした先にあるドリンクバーから、
温かい、1杯のコーヒーを持ってきました。
そうです。
既にアイスは溶けてしまっていますが、いわゆるアフォガードや、コーヒーフロートの要領です。
「これで少し、甘さが抑えられるぅ」
さあ、どうぞ。
甘味と苦味をよく混ぜて、ドワーフホトお嬢さんが子狐に、アフォガードモドキを提供しました。
子狐がそれをくんくん、丹念に調べて舐めますと、
「!!」
なんということでしょう、ナッツの風味とソースの甘味、それからアイスのクリーミーが、
コーヒーの苦味とマッチして、非常に大人な良い味に大変身しています!
「おいしい!おいしい!」
不思議だ!不思議だ!子狐は思いました。
もっと知りたいと思った子狐は、それから数分ほど、アフォガードモドキの大人な香りを、
くんくん、調べておったとさ。
3/13/2026, 3:38:37 AM