君と見た景色
ふと見た夕焼けに見覚えがあった。
どこからみても同じようなオレンジと黄色とピンクがグラデーションになった夕焼け。
近くにいた女の子たちが「きれ〜」と叫ぶ
確かに綺麗だ。綺麗だけれど…何か違う。
二、三歩ゆっくり歩いてみた。
私の体に少し冷たい風が吹いた時、タイムスリップしたかのような感覚に襲われた。
「綺麗だね」
忘れられないあの人の声が聞こえた気がした。
そうだ。
ここは、この目の前の夕焼けは、君と見た景色だ。
あの時は一段と輝いて見えたあの景色は、「こんなものか」と少しがっかりするような景色になってしまった。
…いや、景色は大して変わっていない。
きっと私と君が変わってしまったんだ。
3/21/2025, 12:45:01 PM