花言葉というものは時々ひどく理不尽に感ぜられる。移り気と辛抱強さ、無常と元気、浮気と寛容をグラデーションだと意味づけられたとして、わたしが紫陽花ならひどい濡れ衣を着せられたものだと怒ってしまうだろう。
移り気なものに辛抱を求めてはいけないし、元気なときは永遠ではない、だから浮気には寛容であるべきなのだ、言葉の流れとしてはそういうことになってしまう。変えたくて色を変えているわけではないのに、そこに悪い意味を見いだされたらたまったものではない。
だいたい人によって言っていることがまるで違うのである。わたしたちは花が喋る言語を幻視している。
花を見るときはきれいだと思うだけでいいし、ただきれいなものを見てほしいから、という気持ちで送ればよい。
花束に地雷を仕込んではいけない。
探そうとしてもいけない。
そこに愛以外のなにかは無い。
(あじさい)
6/14/2024, 3:52:09 AM