6年間無遅刻無欠席。卒業を間近に控えた僕にとってそれは唯一誇れる記録だ。最後まで休まず登校しよう。
そう思っていた矢先、僕は風邪をひいて熱を出してしまった。体の節々は痛いし、寒気もひどい。声もガラガラで自分の声じゃないみたいだ。
でも熱に浮かされた僕の頭は記録のことでいっぱいだった。僕は泣きながらお母さんに学校に行きたいとせがんだが、お友達にうつしちゃうからダメだと説得された。
僕は悔しくて仕方がなかった。僕の6年間は皆勤賞という目標とともにあったんだから。
僕はそれならとお母さんに最後のわがままを言った。学校には自分から電話をかけたいと。
意を決して電話をかける。電話が取られ、受話器の中で担任の先生が応答した。そして僕はガラガラ声で苦渋のセリフを口にした。
「コノ学校ニ爆弾ヲ仕掛ケタ。生徒ノ命ガ惜シクバ学校ヲ休校ニシロ」
僕が休むなら学校自体を休校にすればいいんだ。
パシーン!!
「バカなことやってんじゃないの。黙って寝てなさい」
お母さんに受話器を占領され、僕の計画は失敗に終わった。
2/27/2025, 1:00:16 AM