お題:蝶よ花よ
　自分の親は過保護だ。
それはもう子どもから見ても、蝶よ花よと育てられた。　
大学生なのに門限がある、私服の好みも勝手に決められる。
何となく息苦しい気持ちを抱えて生きてきた。

そもそも自分は可愛い服より、かっこいい服が好きだ。
自分は怒った、それはもう怒った、長年我慢してきたのだ、もうこれ以上は我慢するものかそう思った。

　ある日長かった髪を切った。女の子らしくあるために
伸ばしていたが、ばっさりとウルフカットにした。
案の定親からはどうして切ったと問い詰められた、だから自分が思ってることを全てぶち撒けた。
でも返ってきた言葉は、
「親の言うとりしておけばいい、そしたら間違いない」
だった、気持ち悪い、これ以上は無理だと思った。
蝶よ花よと自分のこと思って育て貰ったから我慢してきた。
でもあの人達は自分の為じゃなく従順な人形が欲しかっただけなんだと嫌という程に理解した。
　その日を境に家から出て一人暮らし始めた。
一人暮らしは大変だったけど、自分らしくあれて楽だっ
た。

蝶よ花よという親より、獅子のように崖から子を突き落とすそんな親だったらと思うことがある。

8/8/2023, 11:36:19 AM