未知亜

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ㅤいつ会っても、これが最後かもしれないと思わせるような人だった。一緒にいる時間が過ぎ去ることがただ惜しかった。
ㅤそぞろ歩いた公園のキラキラ輝る池の水面や、ビルの間に沈む夕陽。街路樹を透かす木漏れ日があなたの頬に作ったモザイク。電車を待つざわついたホームで前髪を吹き上げた風。話聞いてる?ㅤとぶつけてきた肩の熱さ。
ㅤそこに居るけど居ないようだと言われた私。
ㅤいつしか切り取っていたそんなものが、近い将来縋り付く唯一のものになることに、私は気づいていたのだろう。
ㅤだから大丈夫。bye bye…


『bye bye…』

3/22/2025, 11:16:10 AM