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過ぎた日を想う

小学生の頃が人生のピークだった。何の責任もなく、毎日が初めてのことばかりで何をしても楽しかった。集団行動は得意ではなかったけれど、そんなに強く咎められることもない。低学年の頃に学習障害だと診断され算数の時間だけ別室で授業を受けたりもしたが、特段それがコンプレックスになったりすることも周囲からとやかく言われることもなかった。
中学生になって雲行きが怪しくなる。3つの小学校が1つの中学校になる、いわゆるマンモス校でその時点で息苦しかった。学年集会や全校集会で人が大勢集まっていると気分が悪くなることが多かった。それでも個人で見たら友人は少ないわけではなく、運動部に所属して毎日部活に取り組む活発な生徒に分類されていたと思う。ただこの頃から遅刻や忘れ物が目立つようになる。欠席はしないけれど毎日5分10分遅刻する。それは学校に限った話ではなく、休日の部活動や友人と遊びに行く際にも。それと同時に始めることと終わることが苦手になった。始めるまでにえらく時間が掛かるが、いざ始めたら周囲が止めるまで終われない。調子がいい時は何日でも起きていられたが、調子が悪くなると半日を睡眠に費やすことになった。躁鬱病だと言われた。それでもこの頃はそこまで症状が酷くなかったと今だから分かる。人生で初めて人と付き合ったのも中学生で、学年が違ったから卒業と同時に自然消滅した記憶しかないけれど。
高校生は今のところ人生のどん底だったと思っている。一番近い学生時代のことではあるが、「まぁ思い出さなくていいや」と「ちゃんと向き合わないと」という気持ちが真っ向から対立している。言ってしまえば躁鬱病が悪化して抑鬱状態が酷く出た。ストレスの発散方法が自傷になったのもこの頃で、他害が出なかっただけマシだと自分では思っている。非行に走るとかそういったことはなかったけれど、放課後に登校して部活動にだけ参加したことも多々あった。教室に入れずに図書館や相談室で一日が終わることもあった。兆しが見えたのは高校三年の二学期辺り。然るべき場所への通院と然るべき処置、処方の甲斐あってかなり人間に戻った。以前のようには出来なくなってしまった事もあったが、元通りに出来るようになったこともあった。そしてなぜか卒業までの半年間で同時に二人の人と付き合うことになる。突然のクズ要素。どちらも自然消滅だから許され……ないか。
社会人になってからも躁鬱病は猛威を振るったが、今も通うバーに出逢ってからは大分大人しくなっている。精神的に安定したらしい。高卒で就職して、21歳でバーに通い始めるまでの数年はちょっと人様には言えないような、言う相手を選ぶような過ごし方ではあったものの、ちゃんと仕事はしていたし人付き合いもそれなりには。
ここ数年は毎年のように「今が一番楽しい!」を更新していて、今年は君との進展があったから楽しいだけではなく嬉しいも加わった。君の過去も聞く限り中々ではあるものの、お互いどうにか生きているから何も問題ないね。

こうやって過ぎた日を想ったところで、今が君とで良かったと心底思う。

10/6/2024, 7:46:35 PM