架空体

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【素足のままで】

砂利道を歩くたび、かかとに小さな痛みが走る。靴を忘れてしまったわけじゃない。ただ、今日はどうしても、素足で歩いてみたかった。

アスファルトの熱さ、草の冷たさ、石のざらつき。靴の底越しではわからなかった世界が、じかに足裏へと突き刺さる。少しの痛みと同時に、「ああ、生きているんだ」と確かに感じた。

人から見れば、ただの無防備で無謀な行為にしか映らないだろう。でも、誰かの視線よりも、自分の感覚に忠実でいたかった。守られることに慣れてしまうと、足の裏がどんどん鈍っていく。

血がにじんだっていい。今日だけは、素足のままで歩いていたい。そうしなければ、心のほうが先に固まってしまいそうだから。

足裏の痛みが、私の明日の強さになる。

8/26/2025, 12:06:23 PM