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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第二十七話」

志那は、人質に取られている梨々華と攻撃出来ずに困っているスノーを見て、自分で何とかしなきゃと思いました。
「私が梨々華を助けなきゃ…!」
しかし、志那はどうやって梨々華を救出するのか良い案が思い付きませんでした。
「ドリームレースの後ろに回って、背後から行こうかな…?」
志那は野次馬から離れて、ドリームレースの後ろに回ろうとしました。
「志那ちゃん、君一人では危ないよ」
梨々華が救出しようとしていた志那を、スカイは引き留めました。
「早く梨々華を助けないと、スノーさんに迷惑が掛かっちゃう!」
「安心して、僕達に良い案があるよ。スカーレットも協力してくれるかな?」
「ん?何なに?呼んだ?」
スカーレットは、スカイの所に来ました。
「作戦に協力して?僕が囮になってドリームレースを攻撃するから、その隙にスカーレットが梨々華ちゃんを救出するんだよ」
「何か面白そうじゃん!やろーやろー!」
スカイとスカーレットは小声で作戦会議をしました。
「志那、安心しろ!俺とスカイが梨々華ちゃんを助けるからな」
スカーレットは、志那を励ましました。志那は、ココは二人に任せようと思いました。
「二人共、頑張って下さい!」

「あれ?攻撃しなくなった。今のうちに反撃開始!!」
ドリームレースは、スノーに猛攻撃を仕掛けようとしました。
「ま、マズイ…!」
「行っけえぇ!クリムゾンサンダー…」
ドリームレースは、攻撃を放とうとした途端、凄まじい突風に巻き込まれました。
「うわー!」
「スカイ、悪いな!おおきに!」
「親友の危機だからね。助けなきゃ」
「二人とは、卑怯よ!」
「勝手に襲撃に来たお前さんが悪い。一対一でやるだなんて言うてへんで?」
スノーは、ドリームレースに見下す様に言いました。
「よし!今のうちだ!」
スカーレットは、梨々華の傍まで来ました。ドリームレースは、二人相手に戦う事になったので、梨々華まで注意が向かなくなりました。
「梨々華!助けに来たぞ」
スカーレットはそう言うと、梨々華の口に貼られていたテープを剥がしました。
「あ、貴方ひょっとして…」
「説明はあと!俺に着いて来て」
スカーレットは、梨々華を抱き抱えて、ドリームレースの傍から離れました。
「おや?お前さんにトドメが刺せる様になったな…」
「何抜かす?コッチには人質が…」
ドリームレースが袋の方を見ると、もぬけの殻になっていました。
「い、居ない?!」
「それじゃ、絶対零度行きますか…」
スノーは影を落とした表情で、ドリームレースに超低温の冷気の風をこれでもかと吹き掛けました。
「うわぁぁあ!寒すぎて痛ーい!」

「……こ、この辺で退散!」
ドリームレースは、どこかへと行ってしまいました。
「お、行ってもうたな。レスキューありがとな。流石、親友やな」
スノーはスカイの方を見ました。
「いつもの事だよ」
「志那…!」
梨々華は、志那の所に駆け寄りました。
「梨々華、大丈夫だった?」
「大丈夫よ。皆さん、本当に助けて頂き有難う御座います…」
「そんなにかしこまらんでエエのに…」
オーシャンは、丁寧にお辞儀する梨々華にツッコミました。
「そう言えば、梨々華って何でこの世界に来たの?」
志那は、梨々華に質問しました。
「ちょっと、聞いてー?私、零也の友達ってだけでSNSにプライベートな事を流されたのよ?!犯人は一体誰かしら…?」
梨々華は怒り半分で状況説明をしました。
「そしたら、さっきの変な人がやって来て、私を掻っさらったのよ!酷く無い?」
「まぁ、私も誰かに個人情報をSNSに流されて、色々あってココに来たんだけど…」
「志那、この世界に頼れるのは貴方と零也しか居ないわ!私達、仲間になりましょ!」
梨々華は志那の手を取り、固く握りしめました。
「うん、私達仲間だね!」
「あ、悪い。俺の名前はカインドで、現実の零也とは関係がないんだよな…」

9/25/2022, 10:39:18 AM