漣 蓮斗

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テーマ あの夢の続きを

「今日はテストをするぞー」
才能がなかったわけじゃない。
「また78点...」
高得点が取れてるわけでも、かと言って低得点でもない。こういうのを普通って言うと思う。だから僕は普通の人。
「勉強めんどくさいけどしなきゃな」
努力をしている人でもない。しなさすぎてる人でもない。あぁ、僕はやっぱり普通の人なんだな。

ある日、僕は静かな外で歌を歌った。いつものように普通に。その時、
「凄いね!凄いよ!才能があるね!」
一人の人に賞賛された。あぁ、気を使ってくれたんだな。こんな僕は普通なんだから嘘に決まってる。
「うーん、でももっと自信を持って歌ったほうが良いかな」
どうせ才能も努力も無いから意味がない。
「じゃあね〜」
そう言い、手を振って去っていった。今思うとあの時、言われて少しだけ自分を認められて嬉しかったと思う。

次の週、ニュースであの人が死んだ事を知った。事故死だって。
「なぁんだ、君は僕を捨てたんだね」

おわり

1/13/2025, 10:00:49 AM