⚠️交通事故表現、流血表現あり
《遠く》
汗を掻いてだらだら二人で歩く学校帰り。
家への帰り道にポツンと立つ昔ながらの駄菓子屋さん。
そこにいるお婆ちゃんに声をかけて、二つアイスを買う。
いつもの日課。
でも、そんなしあわせももう遙か遠く。
当たり前の日常だと思っていたそれは簡単に崩れ落ちる、泡沫のようなものだった。
自分の当たり前だった日常の名残の微睡の夢を醒させたのは、いつもの駄菓子屋のお婆ちゃんの一言。
「そんな2つも欲張ったらお腹壊しちまうよ」
自分の隣にいた幼馴染は消え失せた。
いや、元々いなかった。
頭のなかに車のブレーキ音が響いて離れない。
そして思い出したのは、車に轢かれた血に濡れた幼馴染。
2/9/2025, 1:11:44 AM