いつも、寄り道をする。毎日行く場所がある。
「ずっと親友だよ。」と言って、友人が秘密基地と言って紹介してくれた場所。太陽に照らされた彼の笑顔は、いつになっても忘れない。その笑顔を壊したのは、新学期に入ってすぐ頃の春。入学式を迎え、帰り道だった。友人とは同じ学校に進学。この先は明るい未来が待っていると信じていた。たとえ何があろうと、支え合えると。
でも、、その理想は真っ赤な血で汚れた。
友人と自分は、居眠り運転の車に撥ねられた。
自分は、一年ほどで日常生活に支障がないほどに回復したが、一方友人は、もう三年も植物状態。友人との秘密の場所に、勧誘者は来なくなった。いつか来るかと願いながら、流れる静寂を見つめる。そして自分の静寂を破った声は、聞き覚えのある声。
「秘密の場所。覚えてくれてたんだ」
「三年ぶりだね。」
3/8/2025, 1:06:29 PM