千明@低浮上

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消し残しのある黒板、落書きだらけの机、不揃いの椅子、誰もいない教室、静まり返った室内に窓から聞こえてくる放課後の音。

ふわりと舞ったカーテンに隠すようにして彼女を腕の中へ引き入れた。
艶やかな黒髪が揺れてそこから香るシャンプーの爽やかな匂いに堪らなくなる。
俯いて少し恥ずかしそうにしている彼女が風に揺れた髪の毛を耳にそっとかけた。
そうしたことで見えた耳が真っ赤に色づいていて、そこへ小さくキスを落とすと、ハッと見上げてくる彼女の目には薄い幕が張っていた。
煽られる加虐心を抑えつつもう一度、今度は唇へ。
それからぎゅうっと抱きしめた。

「俺と付き合わない?」
「・・・・・・順序が逆」

#カーテン

10/11/2022, 2:50:29 PM