黄桜

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窓から見える景色は、時間帯によって姿を変えている。私は、気まぐれに外を見ては代わり映えのない景色に興味を失って家事の続きをしたりする。
けれど、夕方の時間帯だけは窓から見える景色に目を凝らしている。すると、小さな複数の人影が我が家に向かって走ってくる。私は、それに気づくと窓からではなく玄関でその人影を迎える準備をする。5分もすれば、玄関は開き家に命が芽吹く。彼らは、疲れた様子も見せずに私の胸元に飛び込んで来てただいまと言う。
私は、それがたまらなく愛おしくおかえりと言うのだ。

窓から見える景色は、鮮やかな笑顔と共に輝く。

お終い

9/25/2023, 1:03:37 PM