開けないLINEがある。
同僚だった人から、送られてきた、メッセージ。
未読スルーにしているのは、うっとおしかったからじゃない。
それは、着信音と共に始まった。
「ねぇ、なんで読んでくれないの?」
思わず
(出なければよかった)
と、思った。
着信音の相手は、不機嫌そうだ。
雑踏の中を歩いている、こみごみとしだ音が、後ろから聞こえる。
「御社では、取り扱い出来ない案件です……」
声が震えた。
今では、違う部署にいる。
昔、付き合っていた。
この距離感。この違和感。この無力感。
こう言ってしまえれば、スカッとするのに。
『ほんとに、私情と仕事を取り違えてるんじゃねぇよ!!』
結局、謝り通しでLINE通話は切られた。
悲しみと無力感にとらわれている。
堪忍袋の緒が切れるのは、時間の問題かもしれない。
9/1/2023, 11:12:31 AM