ほたる

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愛は呪いである。

人生は自分のために生きていくというのに、自分のための感情が全て汚く見えるのは何故だろう。誰かのためだと伸ばした手は、手を掴んだ人を救いたいと思うこの気持ちは、結局は私がその温もりに救われたいと願う気持ちの裏返しなのだと気づいたときから、ずっとその傷に囚われたまま生きている。

人間が当たり前に生み出す感情も、当たり前に営む関係も、全てが正しく享受できない。もしくはわたしが正しいのかもしれないという気持ちも、少しはあるけれど。この際正しいかどうかなんてどうだってよくて、都合良く解釈できたらいいのに。息絶える瞬間までにこれができるようになれば、わたしの人生は満点が取れるだろう。

けれども、もし、わたしがわたしのために生きていいのだとしたら。
人てして生きる権利を真っ当に行使していいのなら。
あなたを心の底から愛していると、言いたい。
愛を、人を縛り付ける呪いだというそのものが呪いみたいなドロドロとした全てから解放されたい。そしてあなたをただ心地よい温もりで抱きしめて、大丈夫だよと言うわたしを見て、きみが言うならそうなんだなと思ってもらいたいのだ。

わたしが、わたしのために生きていいのだとしたら。
きみへの愛は、呪いなんかではなく、祈りとなるだろう。
ただ、きみとわたしの幸せを祈る、それだけのこと。

6/26/2025, 9:13:34 AM