彼女を気になるようになってから、つい視線で追ってしまう。
他の人と楽しそうに話しているけれど、声をかけたい気持ちが溢れた。
話している間に割り込むのも気が引けるし、迷惑になったら嫌だな。邪魔になるだろうし。
でも、彼女と仕事以外で会えるわけじゃないし……どうしようかな。
どうすればいいか悩んでいると、振り返った彼女と目が合った。俺を見つけて一瞬驚いていたけれど、すぐに柔らかく微笑み、軽く会釈してくれるから胸が高鳴る。だって、その笑顔が可愛いんだもん。
俺は意を決して、彼女に向けて足を進める。
「こんにちは!」
何事も無いように彼女に向かって挨拶をすると、俺に身体を向けて椅子から立ち上がってくれた。
「こんにちは、久しぶりですね!」
眩い程の笑顔に、胸の鼓動が抑えられそうもない。
俺は心の中で自嘲気味に笑ってしまう。
だって、もう逃げられないんだよ。それくらい、俺は君に心を奪われているから。
どうすればいいのかと、悩む必要なんてなかったね。
おわり
一八九、どうすればいいの?
11/21/2024, 12:46:31 PM