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「折り畳み傘忘れた…」
今日の降水確率は10%以下と聞いたから油断した。
「しかもうちの高校の周辺だけ…ついてねぇ…」
お天気情報によると随分と局所的な雨らしい。

「おや、先輩とあろうものが傘を忘れた感じっスか?」
今日はとことん運がないらしい、
よりにもよってイジってくる後輩も寄ってくるとは。
「天気予報では『曇り』って言ってたから」
「私が見たのだと、
『曇りのち雨』って言ってたっス」

揚げ足も取られる始末だ。
このまま立ち尽くしても埒が開かない、
さっさと濡れながら走り抜けるか…っ

「あの、先輩」
「っ…何?」
踏み出そうとした瞬間ずっこけた。
いきなり後ろから声をかけるな、危ないでしょうが。

「もしよかったら私の傘に入って行きませんか…?」
………
「え、あっ…よろしくお願いします…(?)」
「〜っ!いいから早く入って入って下さい!」
顔が真っ赤な女子と同じ傘に入っている。
不覚にも、この後輩が可愛く見えてしまった———-


と、言う感じの小説を読んだ。
面白かった。
ちなみに僕は高校生では無い。
彼女もいない。
一筋の涙が溢れた。

『ところにより雨』

3/24/2026, 3:30:53 PM