◎空を見上げて心に浮かんだこと
「空を見上げて心に浮かんだことぉ?」
「うん。アサヒは何を思うのかなって」
もうすぐ夜になりそうな頃に聞くなよと思いながら、アサヒは考える。
雲が浮かんでるなら何かに見立てるところだが、今は一面の夕焼け色しか目に映らない。
「何つってもなぁ……藍色と茜色は正反対なイメージだけど、よく似合う……とか?」
自分でも何を言ってるのかわからないのに、隣を歩くユウは納得したようで何度も頷いていた。
「ユウは?なんて答えるんだよ」
「私は朝焼けを思い浮かべるよ。夜を越えて次に空が二色に染まるのは朝焼けの時だから」
楽しそうに笑うユウには夕焼けの色がよく似合っていた。
7/16/2024, 10:51:12 AM