木枯らし/熱燗で
木枯らしのような強い北風
の吹く日、退勤後手を擦り
こんな夜は酒が飲みたい、
と通い慣れた居酒屋の暖簾
をくぐると暖かいざわめき
と酒の匂いが満ちて一人
だが寂しさは感じない。
熱燗と、と言いつつ今日は
どんな魚が上がったかいと
尋ねると、今日は良い型の
鰤が入ったと大将の声がし
た。
任せるよとコートを脱ぎ、
カウンターの席に当たり前
のように座れば、ほんわり
と肩の力が抜けて、運ばれ
てきた徳利とぐい呑みで、
おつかれさまと一人ごち、
ふうふういってすする酒が
胸を温かく流れていくのが
私の楽しみだ。
日々ぐったりするまで働く
ことも当たり前の国では、
同じような時間を過ごす人
は少なくないだろう。
何時まで、が空虚な時間の
うら寂しさはひとり酒では
晴れないな
という夕べである。
1/18/2026, 5:58:31 AM