毎日満員電車に詰められて、高校へ行く。
片道1時間。ある程度良いところへ行ってほしいという親の意向により、私は遠い高校に受験したのだ。
中学までの学生生活で既に不登校気味だった私は、慣れない環境に1ヶ月で限界を感じていた。初めて会う人と初めての場所、周りがあっという間に順応していく中、私は順応したフリをした。どうして出会って1ヶ月でそんなに仲の良い友達ができるのか。親友ができるのか。カップルができるのか。周りが上辺だけで生きている気がした。気味が悪かった。人は、誰でもいいから友達を作ろうとする。そんな薄っぺらい世界を身をもって体感した。世界に嫌気がさしていた。精神的に、私は限界だった。
「桜子ー!今日一緒に帰れる?」
「あー、今日は用事あって…ごめん、先帰っててー!」
「おっけー、ばいばーい!」
友達の誘いを断った。特に用事はなかった。ただ、1人になりたかった。
空き教室に何となく残ってみるが、やることもなく30分でその場を後にする。いつもより遅く歩いて、駅に向かう。同じ高校の生徒に会いたくないためである。いつもより遅い電車に乗った。電車は下校中の学生と仕事終わりの会社員で満員だった。春も終わりがけ、世間はもう夏の雰囲気を感じる。電車はクーラーがかかり、満員電車の二酸化炭素を掻き回していた。疲れて眠そうな人、景色をただ眺める人、置換を疑われないよう手を上げている人、濃いクマがある人、黙々とスマートフォンを構う人…多種多様の人がいる。人は社会の中で生きていく生き物である。だから、この生き方が正しいのだと思う。この人達の生き方が正しいのだ。
だから私は明日からも、吐き気を催しながらこの世界で正しく生きていくんだ。
07-20 今を生きる
7/21/2025, 9:56:50 AM