モンブラコン*

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       モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~~『胸が高鳴る』

「門君まだ出来ないの?ウっケるぅ~お先~♪︎」
 …クラスメイトの女子(居残り仲間)に笑われた。
 オレ、モンスター姉弟、末っ子。
 補習プリントと、にらめっこ中。
 この時間…姉さんがテレビドラマに夢中に
なってる時間。絶対テイちゃん(兄)が迎えに
来てる…焦れば焦る程、頭が回らない…。
 テイちゃんは待たせて怒る様な人では、ない。
むしろ、『大変だったでしょ?』と労ってくれたり、待たせた申し訳なさを感じさせない様に、
オレが校門に近付いてから、スタっと現れて、
今来た風を装ったりする位の人だ。
 じゃあなぜ焦ってるのかって?そ…それは、
ほら…早く会いたいからじゃん…♡
「…きゃ~♡」「え?嘘嘘っ違うって…♡」
 何か廊下にいる女子達が、騒がしい。
「○○(アイドルグループ)のR君じゃないの!?」
「ありえない、この無名高校に来るワケない♡」
 ん?ちょっと待って、まさか…。上半身を伸ばして窓の外を覗いてみる、ギリ校門が見え…。
「テイちゃん!?」
 が、校門で女子に囲まれてるぅ~!運動部の人まで部活そっちのけでフェンスに張り付いてる。
 身長190cmで綺麗な顔立ちのテイちゃんは、
とにかく目立つのだ。村の婆ちゃん達が、
偽孫自慢の為に連れ歩く程である。
「ねぇ!門君!お兄さんからコレ…♡」
 おや、さっきオレを笑い者にしたクラスメイトが、郵便配達員と化して手紙を配達しよた。
『ゆっくりで良いからね』
 テイちゃんからの、温かい御言葉♡
「えっあの人が弟なの?」
「似てない…けど…良いかも♡」
 おや、オレにもモテ期が来たのか?女子が
オレを見に、代わる代わる教室を覗いている!
 す、すげぇ、テイちゃん効果半端ない!
 もはや補習は何処へやら、女子へのサービス
フェイスを決め込むオレの肩を、ずっと静観していた先生が強めに叩き。「帰れ」と一言。

「テイちゃんっ♡」
 呼ぶと、女子の群れが左右に下がって、
テイちゃんへの花道が現れた。
 走って抱きつくと、僅な歓声があがる。
 何て良い気分♡オレ達兄弟♡ドヤ顔のオレ。
 ……テイちゃん、ありがと。

3/20/2023, 1:57:28 AM