名無しの夜

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天国、地獄

上か下か、右か左か

対極の狭間が、現世——だとか


日々、
ちょっとしたことで舞い上がったり
落ち込んだり

気持ちは、天国地獄を行ったり来たり


誰かの言葉や存在で
嬉しくなったり、救われたり

その逆で
苦しくなったり、心が壊れたり


躁鬱の時は
まるでジェットコースターに
乗っているようだった

天国地獄の、終わらない周回


「普通で、いいんですよ」

そう言われて、余計混乱したっけ


普通って何だ

普通がわからない自分は、普通じゃないのか


思考の袋小路は、地獄の迷宮

普通じゃない私は特別! と吹っ切れる時は
蝋の翼を得たイカロスの如く
天上に達した気分、だったり


時を経て

多分だけれど
普通らしきものを、知り

狭間の世界を
ぼちぼち、サボりながらも歩いて

時々、天国と地獄を垣間見て

また狭間へと、心を戻す


みんなみんな、そんな一面はあるだろう


大切な存在を失ってしまったから
今はまだ、灰色

でも地獄では、ないの
思い出が、あるから

あの子と出会えたこの世界は、
やっぱり素敵だったと思うから


簡単に揺らいでしまう、狭間の世界


すべての万物が——

なんて、無理なのだろうけれど

でも


すべてが穏やかに健やかに過ごせるよう

狭間の端っこで、小さく祈っているよ

5/28/2024, 5:37:45 AM