Morita

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「俺、役に立ってます?」
「立っているとも」
「さっきから誰も通ってないっていうか、この二日間誰も通ってないっていうか」
「誰がいつ来るか分からないだろ。その時のためにいるんだよ、お前は」
「はあ」

セミすら鳴り止む摂氏40度。
アスファルトは照り返し、地平線が滲むほどの陽炎が立ち上る。雑草でさえ灼熱の日差しに喘いでいるようだ。

ガラクタ売り。割れた陶器皿、くもったガラスの風鈴、歯抜けのミニ箒。そんなものがボロボロの木箱に雑然と入れられている。
割りのいいバイトがあるというからこのオヤジについてきてみたら、こんなものを人気のない田舎道で売るなんて。

唯一生えている木の日陰で、




【お題:誰かのためになるならば】

7/27/2024, 5:54:17 AM