作品67 ラブソング
もし僕が歌を作れるなら。
街で流れてるような、ありふれたラブソングを作りたい。
きっと君は気づきもしないんだろう。
いつも下に落としてるその視線をたまに上げて、そうしたらどこからか小さな音で流れてくる音楽。イヤホンを耳から落としたときに一瞬聞こえる街の騒音とともに不意に耳に触れる音楽。
その程度の存在でいい。いや、その程度がいい。それがいいんだ。
誰にもバレずに、一つの雑音としてでいいから、君の日常に溶け込みたい。
そんな音楽を。
誰にも知られず朽ちていく、そしてくすぐったくて、そこら辺にありふれたような。
そんなラブソングを作りたい。
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ラブソングと言えば天使にラブソングを。
あれは神映画。
5/6/2025, 1:37:28 PM