霜月 朔(創作)

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もしも過去へと行けるなら


故郷から離れた地で、
流れてきた、
耳を覆いたくなるような、
残酷な知らせ。

人間の醜い欲望と、
人々の争いで、
いくつもの生命が消え、
街が破壊された、と。

もしも過去へと行けるなら。
叶わぬ願いを抱き、
奥歯を食い縛り、
涙を堪える。

どんなに後悔しても。
どんなに願っても。
時間は逆さには、流れない。

焼け落ちた街も、
失われた生命も、
戻りはしない。

帰る事も叶わない故郷。
記憶の中の故郷は、
今も穏やかなままなのに。

いつか。帰ろう。
懐かしい故郷へ。

例え、瓦礫の山に、
雑草が生い茂っていたとしても。
そこは、
私の故郷なのだから。

7/25/2025, 8:47:12 AM