脈動感の汗に包まれたその笑顔が輝かしい。
拳を振り上げ、"感動"と"歓喜"を歯の奥に噛み締めている彼らの姿。
そんな澄み切った表情に私は胸を打たれた。
「くそっ!」
掠れた声で貴方は叫ぶ。否定的な言葉を発しているのに、否定的な言葉のくせに。貴方はこれ以上にないほどの"楽しい"を表現していた。否、貴方だけではない。貴方の背を追いかけた彼ら全員も愉快な表情を浮かべている。
まずい。溺れる。
瞬間、嚥下の音が耳を占領した。抜け出せない。こんな美しい界隈に溺れないわけがない。
「好きだ」
既に溺れ、楽しみ、抜け出せなくなっている彼らが。
好きを追いかけ続ける貴方が。とてつもなく好きだ。
【君の背中を追って】
6/21/2025, 1:03:47 PM