車窓を流れる景色を食い入るように見つめる僕をよそに、彼は自分のささくれと戦っていた。一度気になると触らずにいられない性分は変わらずらしい。あてのない逃避行に言葉一つと小さなリュック一つで隣に陣取った彼に何を言うべきか分からないまま駅に着いたら買うものリストに絆創膏を追加しまた外を眺める。流れる緑が減り次第に家やビルや看板ばかりが目につくようになった。♯街へ
1/28/2024, 3:08:21 PM