John Doe(短編小説)

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1999


どんなに時を繰り返せば
あの頃に戻れるでしょう

昔話でもしようか
切なくなるだけか
やっぱりやめよう

色褪せた写真をそっと胸に抱く
あなたと過ごした日々は粉々に砕け散って
いちばん可哀想なのは私でした

砂時計を逆さまにすれば
色は甦るでしょうか
潮風のように私は飛んでいきそう

結局あの年、世界は終わりませんでしたね
わかってたはずだったのに
数十年後も、私はわたしなんだと。

5/23/2023, 10:51:16 AM