ミキミヤ

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薄く雲のはいた青空が綺麗だったあの日。君が死んだ。

私は君のお母さんに連絡をもらって、病院へ駆けつけた。君は既に息をしてなくて、驚くほど穏やかな顔で、眠るようにそこにいた。頬に触れたら冷たくて、私はただ震えることしかできなかった。

私と君は、同じ学校で、一番の仲良しで、楽しいこともつらいことも何でも分かち合ってきた。
その日だって、一緒に映画に行って、カフェで感想を言い合って、学校や家族の話で盛り上がって、「また明日ね」って笑って手を振った。そのあと、君は事故に遭ったのだという。
もし映画に行かなかったら。あともう少し一緒にいたら。君はまだ生きていたんだろうか。
君との明日が来ないなんて、信じられなかった。信じたくなかった。


数日後、君は煙になって天に昇った。


学校に君がいない。呼んでも返事がない。LINEをしても、既読もつかない。君の声がどんどん思い出せなくなる。じわりじわりと、君のいない日常が私を侵食していく。
君を喪った心の穴は大きくて、埋められなくて、苦しい。苦しすぎて、いっそ、君との日々を忘れてしまいたくなる。

でも、どんなに泣いて、忘れられたら楽なのにと願っても、「また明日ね」って言った君の笑顔が、頭から離れない。

もう『明日』は過ぎてしまったよ。
ねえ、もう一度、隣で笑ってよ。



いつかきっと、この喪失感にも慣れて、君のいない日常が当たり前になる日がくる。
それまでは、忘れられない君の笑顔と、この苦しみを胸に抱いて、私はひとり生きていく。

10/17/2024, 12:20:25 PM