風のいたずら
夏の暑い日、坂道を走っていた。
そこにあの人が居た。
もう会わなくなってしばらく経つ。
でも街を歩くと自然と探していた。
似た人がいると立ち止まりドキドキを感じながら振り向き、ずっとそこに立ちすくむのだった。
自然を装いすれ違い様、風のいたずらに困ったように髪をかき上げながら振り向いた。偶然振り返った様に。
驚く貴方にびっくりした様にさりげなく微笑む。
夏の風はさりげなくサワサワと私の熱さを飛ばしてくれた。
ずっと会いたかったと心で呟き見つめる私に貴方は何も言わず熱い手を伸ばしできた。
2人の間に風が流れていた。
1/18/2025, 8:51:53 AM