Mirei

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題【風景】#2
(染谷 うる、赤根 れい、莉李、茉愛)

「教室、戻って来ちゃったなぁ。」
ふう、大丈夫。きっと。
いつからだっけ、こんなに勇気が必要になったのは。
ガラガラ

バシャッ
「えっ?」
「やば、引っ掛かったんだけど(笑)」
「まじ?(笑)」

寒い。
誰か、誰か。助けてよ。

「すみませ~ん!ここの教室に用事が…」
「っ!」
この声、昨日の先輩だ。
見られちゃうっ

「…って、あっ! 昨日の子だぁ!」
「っ。こ、こんにちは。」
「えっ!なんで濡れてるの!?大丈夫?」

「なぁ、あれって茉愛先輩じゃね?」
「本当だっ!今日も可愛い、、、」
「話したいわ~」
「てか、なんであいつが!」
「仲良くね?」

「あっ、えっと。」
どうしよう、視線が多い。集まってる。
「大丈夫、ですよ?(ニコッ)」
上手に笑えてるかな?

「っ。そっか。でも、濡れてると風邪引いちゃうかもだし…、タオル、使って?」
そう言って、先輩は僕にタオルを差し出してくれた。

「あ、ありがとうございます。」
「全然良いよ~!ところで、誰?」
「えっ?」
「雨降ってないのに、水で濡れるわけないじゃん」
「っ、大丈夫です。」
「だ~め!ちゃんと、楽しい学校生活を送ろう?」
「…。ですね。」
「よしっ、なんとなく分かった!」

「君たちでしょ?いじめたの。」
「だから?」
「やめようね~!メリットなんてないし。」
「そんなので、やめるとでも?」
「ふ~ん、、、ねぇ、そこの男子?」
「君たちの本音を教えて?やめようと思う?」
「はいっ!」
「えっ?ちょ!可愛いからって!」
「そうよ!強気は!?ふざけんな!」
「うっ、やめます!」
「よろしいです!偉い偉い。」
「もう!覚えててよっ!?」

「よしっ。大丈夫?莉李くん。」
「はいっ!ありがとうございます。本当に。」
「良いよ~!なんかあったら、また言ってね✨」
「はいっ。」
「ふふっ。バイバイ!」

「おはようございます。先生。遅刻で来た、うるです。」
「はいっ。また辛くなったら保健室にね。」
「分かりました。」

「あっ!うるくん!」
遅刻して、うるくんが来た。
「こんにちは。莉李。僕、朝いなくてごめんね!」
「大丈夫だよっ。」
「なんかされてない?」
「…、されたけど、先輩が助けてくれたから。」
「良かったです!その先輩に、あとでお礼にいきましょうかね。」
「うるくんは?」
「実は、遅れてきた理由もそれですよ。朝から大変でしたぁ。」
やっぱりか、うるくんが遅刻したら、大体その理由。
「そっか、なんかあったら、いつでも頼ってね!」
「ありがとうございます。莉李。ちなみに、れいは病気が悪くて。」
「そっか、お見舞い、行く?」
「行きましょうっ!」
「おっけい!また後でね!」
「はい!」

4/12/2025, 10:33:19 AM