私には友達がいない。
よっぽどの事がない限り、みんな私には話しかけてこない。
「ねぇ、最近調子乗ってるでしょ」
そんなある日、私に話しかけてくる子なんて今まで居なかったのに、世間で言う、所謂陽キャ女子に話しかけられてしまった。
しかも、嫌な予感しかしない。
「…のってないけど」
「なんかあんた、ムカつくんだよね」
3人揃って急に喧嘩売ってくる方がムカつくけど。
なんて言えば、火に油を注ぐことになるだろうから、さすがにやめた。
「何が言いたいわけ?」
「…うっざ、おいバケツ」
なんて、この3人グループのリーダーなんだろう女が、後ろの取り巻き女子にそういうと、元気よく「はーい!」
なんて返事をし、水入りバケツを構える。
あ、水かけるんだなこいつら。と、理解した頃には、私は既に…
「…やめな、よ。」
「え、?」
濡れていなかった。濡れるより先に、止めてくれるような声が耳に入った。
「は?」
「…先生、呼んだから、」
「あんた…、覚えときな、」
なんて漫画のような捨て台詞を吐くと、三人衆は走って逃げた。
「…なんで、助けてくれたの」
「なんでって、…君も私の事、助けてくれたじゃん」
そう、ニコッと微笑む彼女は、前の頃とはなんだか少し雰囲気が変わっている気がした。
「…2人で、助け合おう?、」
「…、ありがと」
「ひとりぼっちじゃなくてふたりぼっちだね!w」
そんな可愛い彼女の笑顔を、私だけのものにできることを、心の底から感謝した。
ふたりぼっち。案外いい響きかも、なんてね。
3/21/2023, 10:51:44 AM