お気に入りの喫茶店がある。
有名なのはマスターオリジナルの珈琲。珈琲が苦手な私は飲んだことはなく、裏メニューの日替わりの紅茶を良く頼む。常連客は珈琲と本日のオススメのケーキを頼むみたいだ。お客さんの笑顔から珈琲の美味しさが伝わってくるのだから美味しいに違いないだろう。
カウンターに座り、マスターに注文する。”いつもの”で伝わる程にこの喫茶店に通っている。紅茶とケーキが並べられるとカップを手に持ち香りを楽しむ。匂いや味で紅茶の善し悪しなどミーハーの私には分からないがマスターの入れる紅茶が美味しいのだけは分かる。
一口飲むと紅茶の美味しさと香りが喉に広がる。
「私ね、マスターがいれるこの紅茶の香りが好きなの」
いつもの時間を忘れることの出来るマスターの紅茶。
私はこの紅茶の香りが好きだった。
「マスターがマスターでいられるうちは、まだまだ通いに来るから、元気でいてよね」
10/27/2024, 12:02:32 PM