ーともだちー(子供のままで)
「やば」
傷んだ畳の上で、胡座をかいた君がTVに映ったニュースに向かってそう言った。
「え?」
「…なんでもない」
彼はそんな一言で俺を拒絶する。
知れない君の感情を、全部分かってあげたいのに。
「……例えば本当に、みんな死んじゃったらどうする?」
「なんの話?」
突然出される意味の良く分からない問いに、俺は眉を下げる。
彼はおかしいのだ。
「……別に」
「そっか」
また拒絶された。
説明してくれれば良いのに。
体勢を少し直すと、床が小さく音をたてた。
「今日はもう解散しない?」
彼が言った。
「どうして?」
「いや……というかさ、別に毎日こなくていいよ」
「なんで」
「楽しくないでしょ。僕と話してても」
「楽しくなかったらこないけど」
「だって、話ぜんぜん合わないし」
「うーん。でも楽しいし」
「正直しんどいっていうか…。学校行ってないから親切で来てくれてるのは分かってるけど」
「確かに最初はそうだったけど、今は友達だと思ってるから」
「………言っちゃうけど、結局僕と接してるから凄いって周りに言われたいだけなんじゃないの?」
「は?何言ってんの?」
「ごめん。でも、そう思っちゃうから。耐えられない。帰って」
「…分かったよ」
なんだよ。
あいつ。
友達だと思ってたのに。
そういうところだぞ。
ほんとに。
……。
「おっ。今帰宅中?」
「帰宅中」
「今日も寄ったの?あいつの家」
「そう。喧嘩しちゃったけど」
「お前『凄いな』。まぁ…いろいろと。頑張れ」
『凄い』。
だよなー。
優しいよな。
俺。
「明日仲直りしないと」
「明日も行くの!?……友達として教えとくけど、お前影で」
明日、なに持ってこうかな。
――――――――――――――――――
おやすみなさい。20:15
5/12/2026, 11:15:05 AM