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 あなたの指の形がよく分かる。すらりとしていて、骨ばっていて、心地よい体温を私に分けてくれる。ペンを握り、ギターを操り、時折料理をし、そして私に触れる指先。私があなたの体の中で一番好きなところ。
 私から手を繋ぐと、あなたはそれが自然だとでもいうように私の手を包んでくれる。本当はもっと強く握ってほしい。境目が分からないくらい強く握って、いずれ一つの生物みたいになれたらいいのに、と思う。
 けれどきっと、そう言ったところであなたはそうしないのだ。私の手を傷つけたくないから、と言うのだろう。そういう木漏れ日のような優しさが、私は好きなのだ。

3/20/2025, 1:56:35 PM