空ノ宵

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ふふっ

私は明日の16という数字に赤ペンで丸をつける
プルルルル、とポケットに入れていたスマホが鳴る

もしもしー?

明日の予定なんだけどーと機械を通した彼の声がする
しばらく話して通話を切る
美容院の確認、ネイルの確認、服の確認、メイクの確認
明日彼を喜ばせるためにできる限りの努力をする

よし!あとは明日の自分頑張れ!

翌朝目覚ましよりも早く起き、準備を始める

うん!可愛くなったんじゃない?

時間を確認し美容院に向かう
終わった後は彼と合流するだけなのだが
緊張し30分も早く着いてしまった
彼を待つ時間はとても長く長くどきどきした

しばらくすると彼の姿が目に入る
いつもよりも大人びた格好にまたどきどきしてしまう

水族館に行き、デパートに行き、
手を繋ぎ、ハグをして
充実したデートをし終えたらホテルに泊まる
夜景を楽しみつつ晩御飯を終えた
あとは部屋に向かーーーー

え、

景色が1番キラキラしているテラスで
彼が私のの目の前で跪き、彼の手の中には小さな箱と
中心には小さく光る指輪がある

僕とーーーーー

私は涙を止めることができないまま彼の言葉を頷き聞く
返事はもちろん

「こんな私ですがお願いします」



家に帰って落ち着いてからカレンダーの17という数字にしっかりとマークした
これから一生忘れることのないように


『カレンダー』

9/11/2024, 12:14:22 PM