「特別な夜」
今日しかない
ふと、そう気づいた
もうずっと我慢していた
お母さんが平手打するのも
お父さんが私に色目を使うのも
お姉ちゃんが私をこき使うのも
でも
もう我慢の限界なの
ねえ、私あと半年で死ぬんだって
病院のお医者さんが言ってたの
なんでこんなになるまで病院に来なかったんだって、怒られちゃった
みんながお外に出してくんないから
私のことちゃんと見てくんないから
結局お前らに未来まで奪われる羽目になったんだよ
だから
だからもういいや
みんなは夕飯を食べてぐっすり
そりゃそうだよね
私が睡眠薬を入れたんだもん
ナイフを手に取る
家族の前に立つ
「さよなら」
ナイフを振りかざした
らん、らん、らららん
踊るように手を動かす
悲鳴が聞こえる
らららん、らん
気がつけば終わっていた
受話器の音
姉を殺すのが遅れたせいか
通報されてしまった
それでも構わない
私は外に出る
「綺麗な空、、、」
何日振りに外に出たろう
血だらけなのに、どこか清々しい
遠くからサイレンの音が聞こえる
捕まってしまう
それでもいいと思った
だって今日は、
私が家族から解き放たれてた
特別な夜なのだから
1/21/2026, 3:44:59 PM