ソラキ

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茶色の花びらを親指と人差し指で摘んだ時、ふと、蝶も似た質感だろうなと思った。目を閉じて蝶の羽を触っても、花びらと見分けれないんじゃないだろうか。悪趣味なので実行はしないけど。茶色の花びらをもう一枚千切る。

飾ってあった花が枯れたので、捨てるところだった。ゴミ箱に入れる直前、そういや今までの人生、花を千切ったことが無いなと思ったのがきっかけで、今に至る。

音もなく、ただ静かに、花弁を切り離す。大した時間を掛けずに全ての花弁を千切り終えると、そこに残ったのはシンプルな軸だった。この行為に意味はないが、花の仕組みが分かったので少しだけ面白かったと思う。それ以外にも自分の中で渦巻く感情があることを知っていたけれど、呼び方を見つけることが出来なかった。
散らばっている花をひとまとめにし、両手で抱える。ゴミ箱に入れる直前に口から、ありがと、と言葉が漏れた。



/蝶よ花よ

8/9/2023, 10:00:00 AM