灯火 霧珂

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私は、ずっとループしているような気がする。
『”今日”』という一日をずっとずっと.....。
そうつぶやいていると『ねぇ』と声をかけられた。
『はい!』と大きな声で返事をして振り返ると、
私の大好きな彼氏である琅夢(ろうむ)くんがいた。
篠影 琅夢(しのかげ ろうむ)くん (通称 琅夢くん)は、
アイドルをしていてsyRuGeRs(シュルガーズ)という
グループのセンターをしていてファンの人数も1万人
以上という。そして、最初にも言った通り...私の彼氏。

「ねぇ、紫乃.....俺の話ちゃんと聞いてる?」
「ん?ごめん....聞いてなかった。もう一回!」

ちなみに、彼は私と幼馴染であり私の最推しである。
なぜかsyRuGeRsのメンバーは、みんな私のことが大好き。
そして、私も全員が最推しだからある意味.....神なの、かな?

「だから、俺のことばっか考えてないで前に進めっつってんだよ。」
「なんで?かっこよくて大好きな彼氏は置いてったりしないよ。」

最近では、こんな話ばかりで水族館とかも駄目って言う。
最初は、こんな感じじゃなくてもっと私に寄り添ってくれる感じ。

「はぁ.....お前、忘れたのか?俺は3年前に交通事故って言ったじゃん。」
「交通事故....?な...何言ってんの?だって、私のこと置いてかないって。」

そうだ、私は3年前から....琅夢くんから離れられないで時が止まったままだ。
なんで....こんな大切なことにいままで気付かなかったんだろう。私....最低.....。
だから、syRuGeRsが解散して....私は哀しくって前に進められないでいた......。

「ごめん、ありがとう。琅夢くん、私は....一人でも頑張って前に進むよ!」
「やっと気付いてくれたんだ。うん、一人でも頑張って前に進め!」

哀しい現実から目を背け続けてた私でも、前に進めますように。
いままで、私が目を背けるために.....ループさせ続けてた今日にさようならを。




お題:【”今日にさようなら”】

2/19/2024, 11:16:28 AM