とある恋人たちの日常。

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 彼女を迎えに行って、仕事終わりにドライブデート。
 高速道路を走り抜けていく。今日は長距離にして星を見に行きたいと思った。
 
 暗い夜のはずなのに、ビルや街灯の光がキラキラして星の合間を抜けていくようで不思議な気持ちになる。
 
 見慣れた景色だけれど、彼女といれば違う景色に見えた。
 
 少しずつビルの光が減り、街灯の数が減る。
 
「暗闇が広がるかわりに、天の星が増えていくみたいですね」
 
 ぽつりと零す彼女の言葉に、案外ロマンチストなのかなと、彼女の知らない部分を見つけて嬉しくなった。
 
「夜空を走ってきて、夜空を見に行って……」
「また夜空を走って帰るんですね!」
 
 弾む声が今楽しんでいるのを伝えてくれる。
 
「そうだね、まずは空にある星を見よう!」
 
 
 
おわり
 
 
 
二八一、夜空を駆ける

2/21/2025, 1:37:23 PM