「世界の終わりに君と」
「世界の終わりに君と恋がしたいな」
僕は彼女の髪の毛を少し取って、自分の方へ持っていき、触れるようにキスをした。彼女はみるみる頬を赤らめていった。そんな彼女が、しぬほど愛おしい。そんな、顔を赤らめていた彼女からこんな言葉が。
「私は…いつまでも愛してる…」
自分で言っておいて、顔から湯気が出そうなほど顔を赤くしている。
僕達は、世界中で1番幸せだろう。でも、その幸せは崩れた。
何者かの仕業で、地球はあと一日で壊れてしまうらしい。そんなの嫌だ。彼女とずっと一緒にいたい。その日はずっと泣いた。あまりの衝撃に脳がパニック状態になっていた。そんなとき、僕の家に一度も入ったことがない、彼女がきた。彼女は、僕を見てやっぱりとでも言いたそうな顔をしていた。彼女は僕をそっと抱きしめてくれた。
「…ねぇ、前言ってたよね。世界の終わりに私と恋がしたいって。ならさ、今しようよ。もしかしたら、明後日が来るかもしれない。少しは希望を持っても良いじゃん。ね?だから、私と恋をしよ」
こんな時でも彼女は眩しく、愛おしかった。僕らはその日一生忘れないように色んな事をした。
そして、地球が壊れる日が来た。
世界はあっけなく壊れた。でも、僕と彼女は最後に優しく唇にキスをした。僕らは最後まで抱き合って手をつないでいた。僕は怖くない。だって、彼女がいるから。
~恋~
6/7/2023, 9:39:06 PM