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4月9日
高校生になったばかりの私は新しいブレザーにとても心躍らせた。これが理由でこの高校に通う事を決めたくらいだ。特にこのリボン。赤いラインが1つある黒いリボンがとても可愛いのだ。
「あれ?」
最初は結ぶのが難しかった。リボン結びをするだけ。それだけだ。なのに靴紐のように簡単ではない。
「何してんのよ」それでしばらくは母に手伝ってもらった。
「鏡をみなさいよ、まずは…」
できない私を見兼ねて、母が教えてくれた。それがまたしばらく続いた。
「…っよし、できた。」
形は綺麗ではないができるようになった。
「よし!」
自分でも綺麗に結べるようになった頃はもう一年の秋だった。それが三年間続いた。
3月9日
卒業式の日。リボンを結ぶ最後の日。少し寂しさを覚えた。でも、いつも通り綺麗に結んだ。小さいけど、これは私がこの3年間で成長した1つだと思って。
「お母さん!行くよ!」
「はいはい……」じっと見てくるお母さん。
「…何?」
「綺麗に結べるようになったわね。不器用なアンタにしては」
「…でしょ?」

12/20/2025, 2:56:14 PM