葬四季

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永遠なんて、ないけれど


意識が夢の時間へと落ちて、
体感一分に満たない夢の時間から起きれば
いつの間にか朝を迎える。

僕の願望は「永遠に寝たい」こと。
現実であるこの世界に興味がないし、
妄想や夢の中なら、なりたい自分になれるからだ。
髪の色も瞳の色も、
声も性別も種族も全てを変えれる。
ゲームや漫画のように、
思い描いた理想の世界にいられる。
夢の中が僕にとっての天国であり救済だ。

なのに現実の力は強すぎて、
また起きる。ずっと起きる。寝て起きてを繰り返す。
どう足掻いても何十時間も寝れない。
お腹が空いて、頭が痛くなって、
喉が痛くなって、身体が熱で熱くなる。
瞼を閉じても世界が起きようと照らしてくるけど、
カーテンを閉じ、眠ることを繰り返して、
また繰り返す。永遠と同じ日々を繰り返す。

新しい環境に身を置いても同じ日々が訪れるだろう。
誰かとキスをしたって、深く話したって、
次の日にはまた繰り返し。


永遠と同じ日々に飽きて、
飽きた永遠を手放したいのに永遠は僕に付き纏う。
孤独感が永遠に募る。


すぐ身近にあったんだ。永遠なんて。
なら、今日はそれを抱きしめて夜空に落ちよう。
そんな妄想の世界に入り浸ろう。
いつの間にか寝て、また起きて、寝よう。

9/28/2025, 10:55:35 AM