#君と一緒に
二人で作った泥団子
君の手を握って見せに行った
大人は皆、『手を洗いなさい』って言ってたけれど、
砂のジャリジャリした感触が夏の空には心地よかった
降り積もる雪に残された二つの足跡
少し大人びたマフラーをした君は
赤くなった手を隠すように、ハンドクリームを塗った
しっとりとした白い肌に、少し乾燥した手を重ねた
ふわふわと空を舞う花びらたち
お互いにしわしわになった手を繋ぐ
昔はあれほど軽かった体が、時に鉛のように重いのだ
呼び合っていた名前も思い出せず、
気づけば、“じいさん”“ばあさん”と呼び合っている
それでもこの光景を、もう一度二人で見たかった
「来年の桜が見れるか分からんからのう。」
「…きっと見れますよ。」
暖かな春の空気が二人の間を通り抜けていった
1/6/2025, 3:07:19 PM