黑 猫 @ 中 学 生

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……。
僕はすっと目を覚ます。
ここは…。
…そうだ。僕は人間の形になろうとして、この機械に入ったんだった。
自分の入っている機械からプシュー、という音が聞こえ、目の前の扉の様なものが開く。
機械から出て、自分の体を全身を見てみる。
…失敗だ。
体の一部がドロドロなままになってしまっている。
仕方ない。もう1回挑戦するか。
機械にもう1回入って目を閉じる。
…突然だが、僕は人間じゃない。
そして1人1台、この機械をもっている。
この機械によって、みんなそれぞれ好きな形になっている。
僕たちは元々体がスライムの様にドロドロしている。何も飲み食いしなくても生きていけるし、なにより寿命がない。
寿命がないので、基本的に気が長くていい人ばかりだ。
たまに新人もうまれてきて、みんなにも刺激を与えてくれるのだが、永い時間が経つとやはり気も長くなり、丸くなる様だ。
僕も最初はこんなに気が長くなかったなあ、としみじみしてみる。
そういえば、なんで昔から人間の形にしてたんだっけな。
…忘れた。
まあいいや。考えても仕方ない。
…いつも3回に1回は成功するけどどうだろ。
サッと成功してくれれば楽なんだけどな。
頑張れ機械。

「不完全な僕」

8/31/2024, 7:30:09 PM