音ノ栞

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私は毎日神様に願った。

私は決まって神様にこう願うのだ。

「毎日が幸せでありますように」と。

毎日決まって寝る前にそう願った。

晴れでも雨でも曇りでも雪でも嵐の日でさえも欠かさず願い続けた。

何年も願い続けたある日のこと。

願いが届いたのか、突然、神様が舞い降りてきて、こう言った。

「貴方の願いは叶えられない」と。

何故か、と私は神様に聞いた。

「幸せはどの人間も平等に不幸の分だけあるのだ。不幸があるからこそ、幸せを感じるのが人間なのだ。その幸せの有難さを感じるのは不幸があるからなのだ」と神様は答えてくれた。

そうか、そうなのか、では、私はこれからどうしたらいいのか、と私は神様に聞いた。

「日常を大切にしなさい。そして不幸を決して悪いように捉えず、前を向いて進みなさい」と神様は答えてくれた。

そして、にこりと微笑んで跡形もなく消えた。

それから私は今日まで神様に会うことは二度と無かった。

それ以来、私の人生は様々な幸せと不幸を行ったり来たりしていた。

そしてこれからもそういう人生を歩んでいくのだろう。


日常を大切にしながら、今日も私は前を向いて進む。



■テーマ:神様が舞い降りてきて、こう言った。

7/27/2023, 10:44:34 AM